六本木や新橋など、都内の名前の知れたエリアを多く持つ「港区」。オフィス街が広がる一方、商業エリアや東京湾を望める場所もあり、区内でもさまざまな顔を見せます。いかにも「東京」というイメージの強い港区に、いつか住んでみたいと憧れる方も多いのではないでしょうか?
今回は家賃相場や自然環境などをもとに、港区の住みやすさを解説します!
目次
港区の立地や特徴は?
港区がある場所は、東京都の南東部。都内では千代田区、新宿区、渋谷区、品川区、江東区、中央区に隣接し、東側は東京湾に面しています。
港区は千代田区・中央区とともに「都心3区」などとも呼ばれ、放送局や広告代理店、外資系企業といった大企業が多くオフィスを構えています。とくに「新橋駅」「虎ノ門駅」「赤坂駅」などはオフィス街として栄えており、都内のビジネスの中心地です。
区内には駐日大使館が多くあるのも特徴。近隣では海外の方も多く見かけられ、インターナショナルな雰囲気を感じられます。
一方、「六本木駅」「表参道駅」といった商業エリアも併せ持ちます。大型商業施設も多く、買い物に便利な環境が整っています。
東京湾沿いは「湾岸エリア」と呼ばれ、タワーマンションが多くそびえ立ちます。湾岸エリアの内、「レインボーブリッジ」や「お台場海浜公園」がある「お台場」は、買い物やデートにも人気のスポットになっています。
港区の魅力は?
港区の魅力としてまず挙げられるのが、交通の便の良さ。区内にはJR線、東京メトロ各線、都営三田線・都営浅草線、京浜急行線、ゆりかもめ、東京モノレールといった数々の電車が通っており、どこへ行くにも困りません。駅同士の間隔が近い場所も多く、複数の路線を使い分けられます。
電車のほか、区内には「ちぃばす」「お台場レインボーバス」といったバスも運行しています。100円~200円程度で乗車できるので、区内のちょっとした移動にも便利です。
六本木なら「六本木ヒルズ」や「東京ミッドタウン」、お台場なら「アクアシティお台場」「ダイバーシティ東京プラザ」など、区内には大型商業施設が多いのも魅力。
衣料品を扱うお店から映画館などのレジャースポットまでそろっているため、家族や友人と1日過ごすことができます。テレビや雑誌で取り上げられるようなおしゃれな飲食店も多く、デートや接待などの特別な機会に使えるお店にも詳しくなれます。
さらに、景観の良さも港区のメリット。「東京タワー」や「レインボーブリッジ」といった有名スポットが多く、いかにも「東京に住んでいる」という優越感に浸れます。
港区で住みやすさ抜群の街BEST5
白金台
白金台の住みやすい点は?
白金台は歴史的観点からは、古くから大名屋敷や宮家の邸宅が建ち並び、その当時から「身分が高い人が住む街」として、既にイメージが確立されています。現在でも、白金のイメージは変わらず、庶民なら「一度は住んでみたい!」と思う、高級感が漂うエリアです。プラチナ通りはイチョウの並木に沿ってオシャレなカフェやレストランなどが立ち並びます。
白金台駅という東京地下鉄・東京都交通局の駅があり、その一番出口から先はプラチナ通りと呼ばれ親しまれています。
白金台駅周辺には、大使館や歴史ある建物が多く、銀杏並木沿いにはブランドショップで賑わいを見せます。駅周辺にはおしゃれな店が多く、閑静な住宅街が広がり、駅東側は高級住宅地が軒を連ねる一方、白金高輪駅などから広がる白金商店街なども、独自の賑わいを見せています。
昭和25年に四の橋商店会として始まった白金商店街は、商店街内に保育園があったり、秋祭りが毎年行われていたりと、地域に密着した商店街となっています。
麻布十番
麻布十番の住みやすい点は?
都営地下鉄大江戸線と東京メトロ南北線の麻布十番駅が利用でき、徒歩圏内に六本木駅や白金高輪駅、三田駅(田町駅)もあります。昭和の頃は陸の孤島と言われていた麻布十番ですが、再開発や交通整備によって交通面の不便さは解消され、便利な街となりました。
また、高級住宅街のイメージがありますが、近隣にダイエーやウェルシア、ピーコックなどのスーパーも多く、海外系のスーパーマーケットも複数店舗あり、食材の買い物に困ることはありません。ドラッグストアなどの日常品販売店も多く、高級なイメージはありますが、暮らしに便利なお店が揃っているエリアです。
古くから栄えている町で、江戸時代の大名屋敷や武家屋敷が今は大使館として使われているなど、歴史散策も楽しめます。
青山
青山の住みやすい点は?
半蔵門線、銀座線、都営大江戸線の3路線が使えが使え都心の職場までのアクセスに恵まれています。東京・品川などの主要駅へも30分前後でストレスなく移動できます。
青山一丁目付近はビジネス街なので、昼は人が多いですが夜は非常に静かです。また治安も問題なく、空き巣被害も年間を通して0件です。駅から少し離れると高級住宅街が広がっており、ゆったりと暮らせる環境から富裕層に人気のエリアです。歩いても繁華街へ行けるので、小さいお子さんがいる人でもベビーカーでも困りません。赤坂御用地や外苑、檜町公園など緑も多く、散歩するのも気持ちがいいエリアです。
外交官などしっかりとした職業の外国籍の方の住人も多く、国際交流の機会を持てます。英会話スクールなどに通わなくてもお友達との交流で英語を日常的に使用する機会が持てるのはコミュニケーション力の向上が期待できます。
図書館やコンサートホール、美術館や博物館などの文化的な施設も各種たくさんあるので、比較的、遊ぶ場所にこまらない地域です。
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六本木
六本木の住みやすい点は?
日本屈指の繁華街なだけに、飲食店から夜の店、お昼に行けば買い物スポットなど何でもそろいます。ご飯屋さんに関しても有名店が色々あるので、デートで使えるようなお店がそこら中にあります。昼もミッドタウンやヒルズに行けば最新のブランドや流行が分かるのでビル一つで全身揃います。
芸能人が経営してるバーも多くあり、同業の方も集まるのでテレビで見るような有名人を頻繁に見かけることも。また多国籍なので、ノリも派手な人が多く昼と夜ではイメージがガラッと変わる非日常的な街です。
六本木ヒルズを中心に芸術・娯楽関連の施設が充実しており、家族や友人と文化的な時間を過ごせ、ともすれば誰でもセレブ感覚を味わえます。飲食店も充実しており、朝食からディナーまで誰もが満足のいく料理を楽しめます。
一方で、夜はクラブを中心に開放的な気持ちになれる場所が非常に多く、東京を代表する歓楽街として非常に栄えています。ただし港区の中でも群を抜いて犯罪発生率が高いので夜の飲み屋街は要注意。
六本木ヒルズ近辺は比較的緑も多く、住宅地としても完成されています。毛利庭園をはじめとした落ち着いた空間がありリフレッシュすることができるというのもポイントです。
白金高輪
白金高輪の住みやすい点は?
都心にあり、オフィスや大使館なども近く警察官が要所要所に立っています。防犯面の観点で最も安心感を感じるエリアです。住宅街とビル街が分かれていて、住宅街はアットホームな下町の雰囲気もあります。
ご近所のおばあちゃんとご挨拶することから始まり、休日にはお茶しに訪問させてくれたりと都心とは思えない人付き合いも楽しめます。外国人も多くいるので、子育てするにも良い環境です。英語、フランス語、中国語と様々な言語が飛び交う中で成長することで、耳が慣れるのか、外国語への抵抗感なく育てられるでしょう。
このエリアは高台になっており災害時の浸水リスクが低くこの点も大きな要素です。
港区の治安状況は?
※犯罪認知件数÷各区の総人口×100人の犯罪発生率で比較
※犯罪件数は2022年の1年間の犯罪件数(警視庁)
港区は23区の中でも犯罪発生率の少なさは17位と治安が悪いことが分かります。
住んでる人が少ない割に犯罪件数が意外と多い港区。港区の中でも圧倒的に犯罪件数が多いのが六本木です。特に繁華街のある六本木3丁目は犯罪が多く、3丁目のエリアだけで229件(すり、ひったくり、暴行など)の事件が起きています。
【豆知識】人気エリアに3万円台で住むコツ
一人暮らしで治安の良い場所に住むなら「クロスワンルーム」がおすすめです。
三軒茶屋や中目黒など治安の良い人気エリアに家具家電付きで、家賃も38,000円から借りれます。
シェアハウスも借りれますが、個人的には気を使わないワンルームがおすすめです。
公式サイトクロスワンルームの公式はこちら港区の自然の特徴は?
オフィス街のイメージが強い港区ですが、区内には自然豊かな公園も複数存在します。自然を感じられる場所に住みたい方は、これらのスポットの近くでお部屋を探してみましょう。
まず、港区を代表する公園が「芝公園」です。近隣には「東京タワー」「増上寺」といった観光施設があり、東京らしさも満喫できます。
芝公園は明治6年にできた古い公園で、園内にはクスノキやイチョウなどの大木がそびえたちます。桜や紅葉の名所でもあり、見頃を迎える時期には多くの人が集まります。「広尾駅」近くにある「有栖川宮記念公園」も、緑豊かなスポット。
滝や池がある日本庭園が広がっており、のどかな景色を楽しめます。カモやカワセミなどの生き物、ハナミズキやハナショウブといった季節の花々を鑑賞できるのも魅力。遊具を備えた広場もあるので、子どもを1日たっぷり遊ばせられます。
東部では東京湾沿いの景色を楽しめます。なかでも人気なのが、東京湾の入江を利用してつくられた「お台場海浜公園」。遊泳は禁止されているものの、人工のビーチでは海を眺めたり、砂遊びをしたりして過ごせます。自由の女神像やレインボーブリッジ、フジテレビ本社ビルなど、周辺の見どころも多い公園です。
港区の子育て支援の特徴は?
港区の子育て支援の特徴は、金銭的なサポートが充実していること。例えば、出産時には一部の金額を区が助成してくれます。最大助成額は出産人数によって異なり、1人の場合で30万円、2人の場合で29万円、3人の場合で27万円です。
さらに、子どもが2人以上いる多子世帯に向けての支援に力を入れているのも特徴。第2子以降の保育料は無料とするなど、なにかとお金がかかりがちな育児に心強い支援を行っています。
多子世帯を対象とした支援に対し、令和5年1月からは「移動支援の強化」を掲げています。具体的な取り組みとしては、一世帯に年間24,000円分のタクシー利用券を配布。また、港区コミュニティバス「ちぃばす」・台場シャトルバス「お台場レインボーバス」の運賃を未就学児は無料としています。
港区の家賃相場は?
港区の家賃相場は、都内でもかなり高いです。
1人暮らし向けの「ワンルーム・1K・1DK」の家賃相場は13.08万円。区内では1番高い相場となります。なお、1番安いのは葛飾区で6.88万円。港区とはほぼ倍の差があります。
港区の家賃相場が高い理由は、都心で交通利便性が良いため。「品川駅」や「新橋駅」などのターミナル駅が多いほか、「東京駅」や「渋谷駅」などへも少ない所要時間で向かえるため、アクセス性の良さから家賃相場が高くなっています。
また、区の南西部にある「広尾駅」「白金台駅」「白金高輪駅」付近は、富裕層が多く住むことでも知られています。このような高級住宅地の存在も、家賃相場の高さにつながっています。
港区内でも家賃の安い場所を狙うなら、区の東側がおすすめ。例えば「田町駅」「三田駅」の1Kの相場は11万円程度と、平均より安くなっていました。区内でも場所によって家賃は変わるので、予算に合った場所でお部屋を探しましょう。
港区住人の平均年収は?
総務省の「課税標準額段階別令和1年度分所得割額等に関する調」より算出した結果、港区住人の平均年収は1,217万円です。23区全体の平均年収は538万円となっており、港区は倍以上高い金額です。
23区の年収を区ごとに並べると、港区は1番高い金額となっていました。2番目に高いのが千代田区で1,082万円、3位は渋谷区で873万円となっており、4位以降は600万円台、500万円台、400万円台と続きます。
1番安いのは足立区で347万円。港区と比べると4倍ほどの差があります。年収が高い人が多く住むぶん、港区はスーパーや飲食店も高級店が多く、生活費を抑えて暮らしたい人には向きません。無理して住むと生活費のやり繰りで手いっぱいになってしまうので、自分の年収と照らし合わせながらエリアを検討してみてください。
港区の住みにくい点は?
家賃と物価の高さ
港区の住みにくい点は、家賃と物価の高さ。家賃はワンルームでも10万円以上になるほか、富裕層が多く住むことからスーパーも高級志向のお店が多めです。飲食店も高級店が多く、毎日外食をしているとあっという間にお金がなくなってしまう可能性も。ある程度収入に余裕がないと快適には暮らしづらいです。
また、普段外食が多い方は、周辺の飲食店の営業日にも注意しましょう。オフィス街に近い場所は、飲食店が平日しか営業していない場合が多いです。
23区の中で治安が悪い
人が集まるエリアであるぶん、治安の悪さも気になるところ。区全体の犯罪発生率は0.86%です。1%は下回っているものの、区ごとに並べると7番目に高い数値で、23区内では高い方にあたります。
なかでも犯罪発生率が高いのは、「六本木駅」「新橋駅」「品川駅」付近。とくに「六本木駅」は繁華街で、粗暴犯の発生が目立ちます。一方、「白金」「麻布」といった高級住宅街は、モラルの高い住民が多いぶん犯罪件数も低く、治安重視の方にはおすすめです。
津波や液状化のリスク
港区は東京湾に隣接しているため、大きな地震の際には津波や液状化の被害も懸念されます。
ハザードマップによると、区の東部を中心に液状化の危険度が高い地域が目立ちました。津波の想定図を見ても、防潮施設がすべて損傷し、液状化により地盤が50cm沈下した場合に、高いところで1.50m以上の浸水深が予測されています。
まとめ
港区は大型商業施設やおしゃれな飲食店が多いエリアで、いかにも都会らしい、華やかな暮らしをしたい方に向いています。
都心ならではの交通利便性や、観光スポットの多さも魅力。一方で、家賃や物価が高いので、収入に余裕のある方でないと満足には暮らしづらいので注意しましょう。