目次
ファミリー向けの部屋探しのポイントとは?
ファミリー向けの部屋探しだと、大人だけの引っ越しとは違い、気にかけた方が良いポイントがたくさんあります。
子育てしやすい物件を探すときは何に気をつければいいの?
間取りはどうしよう?どんな街に住むのがベスト?
といった疑問が尽きないものです。
そこでこの記事では、物件選びのコツからおすすめの間取り・街の選び方などを紹介しています。
この記事を参考にして、理想の物件を探してみてください。
ファミリー向けの物件選びのコツについて紹介
小さな子どもがいるご家庭でしたら、物件を決める前に抑えておくべきポイントがいくつかあります。今回の記事では、ファミリーで住むときの物件選びのコツを紹介しています。
1教育費に回せるよう家賃は30%以下に
家を借りるときに毎月の家賃額を見て「厳しいけど、なんとか返していけそうだ」と予算ギリギリのラインで物件を借りるのはNGです。毎月の貯蓄も十分にできるくらいゆとりのある部屋を借りることが、子どもがいる家庭では特に重要です。
上限ギリギリで借りてしまうと今は返せても将来、家賃の捻出が難しくなるタイミングがくる可能性が高くなります。
文部科学省の統計によると、子どもの1年あたりの教育費は、幼稚園で22.3万、小学校で32.1万、中学校で48.8万と成長に応じて金額も上がっていきます。また私立に行った場合は公立の約2倍以上の学費が必要となります。
公立・私立にかかる1年間の平均教育費(平成30年度)出典元:文部科学省
子どもの教育費は幼稚園から高校まですべて公立に行った場合は総額で540万、すべて私立に行った場合は総額で1,830万円かかるといわれています。
幼稚園3歳から高等学校第3学年までの 15 年間の学習費総額
平成30年度の幼稚園から高校までの学費の平均総額 出典元:文部科学省
もちろん一度にそんな大金がかかるわけではなく、成長して独立するまでの総額がそのくらいのお金がかかるという意味合いです。
基本的に子どもが大きくなるにつれて毎年必要になる教育費の額はアップしていきます。そのため、住む家は教育費にしわ寄せしない家賃の物件を選んだり、子どもが小さく教育費負担がまだ軽い時期にこそ、意識して貯蓄にまわすといった工夫が大切になってきます。
子供が成長し「私立の学校に行きたい」「塾に通いたい」といった希望がでてきたときに家賃負担がきついことを理由に断り、以後、親子関係が冷え込んだ例はたくさんあります。
家賃の負担が重すぎて教育費に回せるお金が少なくならないよう、物件を探す際は収入に見合った部屋を借りましょう。
一般的に家賃の上限は管理費込みで手取りの30%以下が目安と言われています。
手取りから見る家賃の例 | |||
---|---|---|---|
手取り額 | 賃料の目安 | 手取り額 | 賃料の目安 |
15万 | 4.5万 | 25万 | 7.5万 |
16万 | 4.8万 | 26万 | 7.8万 |
17万 | 5.1万 | 27万 | 8.1万 |
18万 | 5.4万 | 28万 | 8.4万 |
19万 | 5.7万 | 29万 | 8.7万 |
20万 | 6.0万 | 30万 | 9.0万 |
21万 | 6.3万 | 31万 | 9.3万 |
22万 | 6.6万 | 32万 | 9.6万 |
23万 | 6.9万 | 33万 | 9.9万 |
24万 | 7.2万 | 34万 | 10.2万 |
例えば夫婦合わせての手取りが30万円であれば9万円以下の部屋を探すのがベストです。30%を超える物件は生活が苦しくなったり、貯蓄ができなくなったりするので注意が必要です。
【豆知識】都内で優良物件を探すコツ
予算を抑えて部屋を探すなら東京6万円以下専門店の「部屋まる。」がおすすめです。
6万円以下で暮らせる都内のデザイナーズ物件や女性限定物件も取り扱っています。
ただし対応エリアが東京のほかに埼玉、千葉、神奈川に限られています。地方で物件を探している人には不向きです。
部屋まる。の特徴まとめ
- 6万円以下の家賃が安い物件を紹介してくれる
- 部屋まる。しか取り扱ってないが物件がある
- デザイナーズや女性限定物件も取り扱っている
2防音性が高い物件を選ぶ
騒音で最も気になるのが床の衝撃音です。とくに集合住宅であれば子どもが遊ぶ音で、近所から苦情がくるケースも珍しくありません。騒音が理由で、ご近所とのトラブルが起きるのは避けたいところです。
しかし内見した時に音がどれくらい伝わるのか判断しづらいので、そういったときは入居前に担当者に遮音性能の数値を確認してみるとよいでしょう。
生活音の感じ方 | |
---|---|
L40 | 上階の人の飛び跳ねる音などが、わずかに聞こえる程度 |
L45 | 人の飛び跳ねる音や物を落とした音が聞こえるがあまり気にならない |
L50 | 物を落としたり椅子を引く音が聞こえ、人が歩くのも分かる |
L55 | スリッパで歩く音や、物を落としたり椅子を引いたりする音が気になる |
L60 | スリッパの足音もよく聞こえ、上に住んでる人の生活音がよく分かる |
「軽量床衝撃音」はスプーンのような軽く硬い物を落とした時の音。「重量床衝撃音」は、歩く音やドンドンと飛び跳ねたりする音。
床の遮音性については、軽量が「LL」、重量が「LH」という単位で示され、数字が小さいほど遮音性が高くなります。
小さい子どもがいるご家庭であれば「LL-45」以下がよいとされており、住む前に1度担当者に確認してみるとよいでしょう。担当者が把握していない場合は建物を所有している大家に問い合わせをお願いしましょう。
構造面でいえば、木造よりも鉄筋コンクリート製の方が生活音を通しにくいと言われているのでおすすめです。
3子供がいるなら1階がおすすめ
もし集合住宅で子育てをするのでしたら、階数は1階を選ぶことをおすすめします。1階にはメリットが数多くあることをご存知でしょうか?そのメリットについて、いくつか紹介します。
1階に住むメリット
- 階下に音が響かない
- 災害時にすぐに外に出られる
- 外出がしやすい
- 2階以上の部屋より家賃が安い
1階を選ぶと階下に音が響かないというメリットがあります。そのため、小さな子どもを室内で遊ばせることができます。
万が一、災害が起こったときにもすぐ外に避難できるのも嬉しいポイントでしょう。自分だけでなく、子どもも避難をさせないといけないため、すぐに外に出られる1階は安心できます。
また1階は移動しやすいため、買い物やお散歩などもすぐに外に出ることができますし、同じ間取りでも2階以上より家賃が安い傾向にあります。
一方で1階なりのデメリットも。
1階に住むデメリット
- 空き巣に入られやすい
- 人の目が気になりカーテンを開けづらくなる
- ゴキブリや蚊などの虫が侵入しやすい
- 湿気が溜まりやすい
ファミリーにおすすめの間取りは?
子どもが成長するにしたがって、子ども用の部屋が必要になります。間取りは長く住み続けることを考えると、とても大切なポイントです。今回はファミリー層に人気の間取りについて紹介をしていきます。
1子供が一人なら2LDKでもOK
2LDKは、リビングダイニングキッチンと2部屋のある間取りです。この間取りでおすすめの家族構成は、これから生活を始める夫婦やお子さまが1人いるご家庭です。
リビングダイニングの他に2部屋の1室をベッドルームにして、もう1室を子どもの部屋として使うことができます。
小学校低学年までの年齢であればまだ子供用の部屋は必要ないため、宿題をさせるのもリビングの机で問題ないでしょう。
子どもが大きくなればなるにつれて学校の荷物などが増えてくるため、子供用の部屋があった方が良いと言えます。
もし子どもが2人以上いる場合や、趣味の部屋が欲しいと考えているのでしたら、もう少し部屋数が多い間取りにすることをおすすめします。
2LDKがおすすめのファミリー
- 家族構成が2~3人
- 子どもが小学校低学年までのご家庭
23LDKは選ばれやすい間取り
3LDKはリビングダイニングと、3部屋のある間取りです。この間取りはファミリー層に選ばれることが多いです。
この間取りでは、自由に使える部屋が3部屋あります。1部屋を夫婦の寝室に使うとしても、他の部屋を自由につかうことができます。
もし子どもが二人いる場合でも、それぞれに部屋を与えることができるでしょう。また、子どもが成長し、家を出て自活し始めた後、自分たちの部屋や物置にする事ができます。
年頃になると子供用の部屋が必要になるため、学生の子どもがいるファミリーにはおすすめの間取りと言えるでしょう。
3LDKがおすすめのファミリー
- 家族構成が3~4人
- 子ども用に個室をつくりたいと考えている
3余裕のある暮らしなら4LDKがおすすめ
4LDKはリビングダイニングのほかに、個室が4部屋ある間取りです。この間取りは集合住宅よりも一戸建てに多く見られます。部屋数が多いため、家族のプライバシーを守ることができるでしょう。
4LDKでしたら、自由に使える部屋が増えるので大きなメリットとして挙げられます。たとえば、4人家族であったとしても家族それぞれに部屋を設けることができます。また、来客が多い場合は、来客用に部屋を用意することもできるでしょう。
デメリットとしては、部屋が多いため持て余す可能性もあることです。
4LDKがおすすめのファミリー
- 3人以上の家族
- それぞれのプライバシーを大切にしたいファミリー
住む場所を選ぶ時のコツ
1家の付近にあると便利な施設を考えてみる
立地を選ぶ際、条件に優先順位をつけて考えること。
ファミリー層の利便性を優先するならば、買い物に便利な大型スーパーや商店街の近くを選ぶと生活の質がグッとあがります。共働きでも帰宅時に気軽に立ち寄れるのは大きなメリットです。
また通勤の良さを優先するなら駅から近い物件を選ぶと天気が悪い日でもすぐに帰宅でき便利です。
しかし通勤・通学時間帯は周辺エリアが混雑したり、日中の電車音や深夜でも賑わう声が聞こえるなど決して静かな環境とはいえないので注意が必要です。
2住宅街独自のご近所づきあいを事前にリサーチ
昔ながらの住宅地と区画整理され新しく開発された新興住宅地。
しばしば「昔ながらの住宅地はご近所づきあいが面倒そう」と思われがちですが、新興住宅地にもママ友ランチや定期的にイベントを開催するなど「同世代同士で過剰な交流を求める」というケースがあります。
こればかりは地域の特性によるので住む前に足を運んでリサーチするしかありません。
ただ昔ながらの住宅地には世代や収入ともにバラバラな傾向にありますが、新興住宅地には同世代や同じような年収の世帯が集まりやすく、どんな車を所有しているか、子どもがどこの学校に通っているかなど近所の目が光るのも新興住宅地に多いことがあります。
3教育機関についての情報を調べる
物件を探すときに、住む街が子育てをしやすいかを把握することもとても大切です。これから通う予定の保育園や小中学校などの教育機関、図書館・児童館などの公共施設についても事前に調べてみましょう。
住みたい街を探すときに、まずは子どもの通う教育機関について調べることをおすすめします。
- 保育園の入園のしやすさ
- 小学校・中学校への通いやすさ
- 地域の公共教育機関の評判
小さな子どものいる共働き家庭であれば、保育園・幼稚園への入園はしやすいかどうかは重要なポイントです。地域によって子どもの入園のしやすさが大きく異なるので、注意が必要です。事前に自治体のHPで待機児童数を確認してみましょう。
また、小学生以降になると子どもは一人で学校に通います。住まいから学校に近ければ近いほど通いやすいと言えます。そのため物件から小中学校の距離も調べることをおすすめします。
教育機関の評判も合わせて確認しておきましょう。教育設備の充実度のほかにも、学校の雰囲気を把握することも大切なポイントです。
4公共施設がどれくらい充実しているか
住まいの近くに、図書館・児童館・公園などの公共施設があるか、そしてその施設が充実しているかどうかも重要な確認ポイントです。
住まいの近くに子ども用のスペースのある図書館や児童館があれば、小さいお子さまを遊ばせやすいでしょう。
また、施設によっては、定期的に読み聞かせのような親子で参加できるイベントが開催されています。
このようなイベントに参加することで子どもが他者との関わりを学ぶことができたり、保護者はママ友をつくることができます。
公園では子どもをのびのびと遊ばせられるため、大きくて広々としたところがあれば非常に便利です。お散歩にも利用できるでしょう。
5地域の治安が良いかチェックする
犯罪に巻き込まれないためだけでなく、不安感に怯えてすごさないためにも地域の治安が良いかを確認することは大切です。
同じ市でもエリアによっては治安がガラリと変わるため、注意が必要です。
一般的に繁華街の近くだと、暴力事件・自転車の盗難などが起こりやすい傾向にあります。ちなみに下町の空気が残る場所の場合、顔馴染みが多いため空き巣などの犯罪が少ない傾向にあります。
【豆知識】理想の住まいを1000万円以上抑えて買う方法
子供がいる家庭や転勤によって引っ越しする可能性が低い人は持ち家もおすすめです。例えば月額10万円の支払いで3850万(金利0.5%の場合)の物件を購入することができます。
特にリノベーション済みの物件は、新築物件よりも1000万以上リーズナブルな価格で購入できます。
手間とコストを抑えるなら「リノベ不動産」がおすすめです。リノベ不動産は、新築物件の3倍以上の物件を取り扱っており予算にあった住まいの選択肢ができます。
ファミリー向けの家賃補助制度を利用しよう
ファミリー向けの広い物件は家賃が高くて住むにはハードルが高い
子供の教育費にお金がかかるので家賃をなるべく抑えたい
といった家賃にあまりお金をかけたくない人におすすめなのが、家賃の一部を補助してくれる制度です。
続いてはUR賃貸住宅の家賃補助について紹介します。
そもそもUR賃貸住宅ってなに?
UR賃貸住宅とは都市再生機構(UR都市機構)という独立行政法人が運営している公的な賃貸住宅のことをいいます。
昭和40~50年代に集中して建設され、築年数はそれなりにあるもののその分家賃が安く仲介手数料・礼金・更新料が一切掛からないなどのメリットがあります。
また公的住宅は定期的に建物が修繕されるという特徴があります。民間の賃貸物件は大家さんの懐事情により修繕がまったくされないという建物を多くありますが、公的機関は民間の大家さんと規模が違うため、最低限の修繕や改修が定期的におこなわれます。
特に公的な住宅は古い物件も多く、修繕せずに放置するとさらに修繕費がかさむことが分かっているので、毎年どこかしらの修繕をおこなっています。そのため外観は古いものの、同じ年代に建てられた民間住宅よりははるかに外面が保たれています。
また建物が古くなり大規模な建て替えが決まった場合でも、民間の賃貸物件と比べると仮住まいの手配や立ち退きの場合の補償金など手厚い補助が用意されています。場合によっては建て替え後の家賃が新しい入居者より安くなることもあります。
また子育て世代には最大9年間家賃20%を割り引いてくれる子育て割もあります。ただし子育て割対象の世帯は年収制限があります。
- 3人家族で年収約551万以下
- 4人家族で年収約598万以下
- 5人家族で年収約646万以下
【まとめ】子どもの成長を考えながら部屋を探そう!
今回の記事ではファミリーの部屋探しのポイントについて記載しました。物件選びのコツは、小さな子どもがいる場合は防音性の高い住宅を選ぶことです。そのほかにも1階の住宅を選ぶとさまざまなメリットがあるので、選択肢の一つに加えておくことをおすすめします。
間取りごとのおすすめは以下の通りです。
- 2LDK…小さな子どもが一人いる家庭
- 3LDK…4人までの家庭
- 4LDK…個人のプライバシーを確保したい家庭
街について調べるときは、子育てを念頭においた施設を調べることをおすすめします。たとえば、教育機関や公共施設の充実度を調べるようにしましょう。子どもが成長するに伴い、これらの施設は非常に重要です。
また同じ市でもエリアによっては治安がガラリと変わります。警視庁が発表している犯罪件数を元に23区の治安をまとめましたので、気になる物件のあるエリアを確認してみてください。