部屋探しのコツまとめ

選ばないほうがいい賃貸物件の見分け方26選!ハズレ物件を引かないコツ

間取り

新生活に向けたお部屋選びは失敗したくないですよね。しかし、「実際どんなことに気をつけて選べばいいの?」と疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。

希望条件にあった部屋を探すのも大切ですが、避けるべきポイントを押さえて探すとより効率よく物件を絞り込めます。今回は物件自体の特徴や立地面から、選ばない方がいい賃貸物件のポイントを項目別に解説します。

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目次

賃貸物件の不満第1位は住人の生活音

賃貸物件の中でも、もっとも入居後に頭を悩ませるのが「壁の薄さ」による騒音トラブルです。

部屋の不満の調査

出典元:LIXIL住宅研究所「賃貸住宅の不満に関する調査報告」

LIXIL住宅研究所が賃貸物件に住む約570人を対象にアンケートを実施したところ不満の第1位が「上階の足音や声が響く」となりました。

隣人が大声で騒いでいれば管理会社にクレームをいうことはできますが、壁が薄い物件では普通に暮らしているだけの生活音でも丸聞こえになります。

テレビの音、電話で話している声、ドアの開閉、歩き回るなどの生活音に関するクレームは解決方法がなく大抵は注意書きの貼り紙を1枚貼って終わりです。

住んだ後に後悔しないためにも内見時に音のチェックは必須です。

壁や床の遮音性を確認するため、部屋が二つある場合は隣の部屋に行って不動産屋の担当者と壁越しで会話し、どれほど声が聞こえるのかチェックしましょう。

ワンルームの場合は、室内の音が不自然に反響しないか、不動産屋の担当者と話しながら、室内での声の反響に耳を澄ませてみてください。

音が不自然に反響する部屋は音が吸収されていないため、遮音性が低く隣の生活音すらも聞こえてしまう可能性が高いです。

しかし防音対策がしっかりされている物件は家賃相場もそれなりの額になってきます。

誰でも予算に限界はあるため、どこかで妥協することも必要でしょう。

そこでおすすめなのは少しばかり壁が薄くても、お互いの生活音が聞こえづらい独立性の保たれた物件です。

具体的には角部屋で隣と接する接地面が少ない、またはアパートの最上階で上に住人がいないなど壁が薄いけど隣人とぴったり壁や天井がくっついていない物件です。

また一般的に遮音性の高いマンションは界壁の厚さが150mm以上といわれていますが、アパートでは100mm未満の壁も珍しくありません。

家賃相場は多少あがりますが生活音でのストレスを避けたい人はアパートよりマンションがおすすめです。

こんな部屋は選ばない方がいい!

こんな部屋は選ばない方がいい!

不動産屋に行くと間取り図や室内の写真をたくさん紹介してくれます。

その中で条件に見合う物件が見つかったとしても、すぐに入居を決めるのはNGです。

入居してから初めて気がつく"部屋の欠点"は、意外と多くあります。そんな失敗を防ぐためにも、欠かせないのが「内見」です。

今回本記事では、内見時にチェックすべきボイントを紹介していきます。

選ばない方がいい物件の特徴

  1. 家賃がやたらに安い
  2. 木造の部屋
  3. 壁が薄い
  4. 築年数が古い
  5. 日当たりが悪い
  6. 半地下や1階
  7. 狭すぎる間取り
  8. 変わった形の間取り
  9. 部屋の傾きやゆがみ
  10. 収納が少ない
  11. 靴箱が小さい
  12. 電波が悪い
  13. コンセントが少ない
  14. キッチンが狭い
  15. 玄関のドアが狭い
  16. 共用スペースが汚い
  17. 郵便受けが小さい、隙間が広すぎる
  18. 線路や大通り沿いにある
  19. 近くに飲食店やコンビニがある
  20. 救急病院、消防署、警察署が近くにある
  21. 小学校や保育園が近くにある
  22. 徒歩圏内にスーパーがない
  23. 坂道が多い
  24. 犯罪が多いエリア
  25. 近くに川がある
  26. 地震の危険度が高い

家賃がやたらに安い

周辺の物件と比較して家賃が安すぎる物件は避けた方が無難。設備に問題がある場合や、事故物件の可能性があります。

そもそも、家賃はエリアによって相場が決められています。安い物件を見つけるとつい飛びつきたくなってしまいますが、なぜ安いのかを必ず確認するようにしましょう。

木造の部屋

木造の部屋は防音性が低く、隣の部屋のテレビや電話の音が聞こえてしまいます。友人が遊びに来た際に話し声が近隣に筒抜けになってしまう可能性もあり、プライバシーの面でもおすすめしません。

見た目が綺麗でも木造の場合もあるので、部屋探しの際は物件情報の「構造」欄を要チェック。防音性にこだわるなら「RC造」や「SRC造」の物件を選びましょう。

壁が薄い

「RC造」や「SRC造」の部屋でも、壁が薄いと隣の部屋の生活音が漏れてきてしまいます。

内見時には隣の部屋のドアとの距離が近くないかチェックしておきましょう。不動産会社のスタッフに外の通路を歩いてもらって、音の聞こえ方を確認してみるのもおすすめです。

築年数が古い

築年数30年以上などの古い物件は、地震や台風などの災害時に不安が見られます。その分家賃は安い傾向にありますが、見た目もボロボロの物件ではせっかくの1人暮らしもテンションが下がってしまうでしょう。

予算を抑えるとしても、築15年~築20年ぐらいで探すのがおすすめです。

日当たりが悪い

日当たりは部屋の明るさや、洗濯物の乾きやすさに関わる重要なポイント。南向きの物件でも、周辺に高い建物があり全く光が入らないケースも存在します。

室内の窓をすべて開けて、窓からの眺めや、日当たり、風通しを確認しましょう。向かいに大きなビルやマンションが建っていたら、時間帯によっては日当たりが悪くなる可能性を考慮しておきます。

また建物の窓が同じ高さであれば、室内の様子が丸見えになるという不安からカーテンを閉めた生活を余儀なくされてしまうことも。

半地下や1階

低層階は不審者が侵入しやすく、特に女性の1人暮らしには不安が見られます。場所によっては道から部屋の中から見えてしまう場合もあり、プライバシーの面からも避けた方がいいでしょう。

また、大雨が降った際に浸水のリスクが高いのも低層階です。安心して暮らすためにも、なるべく2階以上の部屋を選びましょう。

狭すぎる間取り

家賃を抑えるために狭い部屋に住むと、荷物を置くだけでいっぱいになってしまいます。物に囲まれて窮屈に暮らすのは、いくら自宅でもリラックスして過ごせません。

1人暮らしなら最低でも専有面積25㎡が目安。人によって広いか狭いかは判断が分かれるので、内見時に荷物を置いた状態を想像しながら確認しましょう。

変わった形の間取り

三角形や台形などの間取りは、実際の面積は広くても狭く感じてしまいがち。家具を置く場所も限られてしまい、生活導線が上手く確保できない可能性もあります。

一風変わった間取りの部屋は、デザイナーズ物件やリノベーション物件に多いです。一見おしゃれな雰囲気に気分も上がってしまいますが、実際の生活風景をイメージしながら住みやすいかを冷静に判断しましょう。

収納が少ない

収納スペースが少ないと新たに棚やラックを買い足すことになり、結果としてくつろぐスペースが狭くなってしまいます。

限られたスペースに衣服を無理やり押し込むと、いざ着ようとした時にしわだらけになっている場合も。人によって荷物の量は異なるので、内見時に収納スペースが足りているかチェックしましょう。

部屋の傾きやゆがみ

ドア・ふすま、窓や網戸などを開閉し、ギシギシ音をたてたり、スムーズに開け閉めができないなど、たてつけの悪さを感じたら要注意。

老朽化によって物件に傾きやゆがみが生じている可能性があります。また多少のたてつけの悪さは気にならないという人でも網戸のたてつけは必ずチェックしましょう。

網戸に隙間ができていると、夏場の夜は蛍光灯の光に誘われて虫が侵入してきます。結果、窓を閉めてクーラーを使い続けることになり、電気代が高くついてしまうことも。

靴箱が小さい

女性の方は靴箱の高さもチェックするのがおすすめです。

高さがないとブーツやハイヒールを収納できず、箱にしまって収納するしかありません。すぐ履けるように玄関に出しっぱなしにしておくと、来客があった際に玄関が汚く見えてしまいます。

電波が悪い

周りに高い建物があると電波が入りにくい可能性があります。リモートワークも増える中、仕事の電話が繋がらないとトラブルが起きてしまうかもしれません。

内見時には携帯で電波がきちんと入るかもチェックしましょう。

コンセントが少ない

コンセントが少ないと置ける家電の数が限られてしまいます。

延長コードを使う方法もありますが、見映えが悪くなるうえに歩く際に邪魔になる場合も。特に、炊飯器や冷蔵庫など多くの家電を配置するキッチンには、コンセントが最低でも4つあるとベストです。

キッチンが狭い

キッチンが狭いと自炊が億劫になり、つい外食やコンビニ弁当に頼ってしまいがちになります。1人暮らしで生活費を抑えたい方は、キッチンの広さも重視して選びましょう。

まな板を置くスペースがない場合や、コンロが1つしかない場合は不便に感じやすいので避けた方が無難です。

玄関のドアが狭い

玄関のドアが狭いとソファや冷蔵庫などの大型家具が通らず、引っ越し時に苦労します。内見時にはメジャーを持参し、ドアのサイズを測っておきましょう。

共用スペースが汚い

共有スペースにゴミが散乱している物件や、私物が大量に置かれている物件は避けましょう。マナーの悪い住人がいる可能性が高いほか、管理状態もあまり良くないと考えられます。

内見時は室内だけでなく、廊下や郵便ポスト、駐車場などの様子もチェックしておきましょう。

郵便受けが小さい、隙間が広すぎる

郵便受けが小さいと郵便物が入りきらずに飛び出してしまい、他人から抜き取りやすい状態になります。

また、手を差し込めるほど隙間が広い場合も要注意。郵便物から氏名や電話番号などの個人情報を盗まれる可能性があります。

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線路や大通り沿いにある

線路や大通り沿いにある物件は、騒音や排気ガスが気になります。

夜間も交通量が多い通りだと、車が通るたびに音や振動が気になり睡眠に影響が出てしまいます。「電車なら夜遅くに走らないから大丈夫」と思いがちですが、深夜に貨物列車が通る場合もあるので避けましょう。

近くに飲食店やコンビニがある

遅くまで営業している飲食店が近くにあると、夜の騒音に悩まされる可能性が高いです。酔っ払い客同士のトラブルに巻き込まれる可能性もあり、治安の面からも避けた方がいいでしょう。

マンションの1階が飲食店の物件は、音に加えて匂いも気になりやすいです。24時間営業のコンビニがある場合も、夜中に人だかりができるケースが多いので注意しましょう。

救急病院、消防署、警察署が近くにある

救急病院や消防署、警察署は24時間稼働しており、夜中にサイレンが鳴り響いてストレスに感じる可能性があります。近くにあると万が一の時に安心感がありますが、なるべく避けた方がいいでしょう。

小学校や保育園が近くにある

夜勤で日中は寝ていることが多い方は、小学校や保育園が近くにある場所は避けた方が無難。朝7時~9時頃になると子どもの声でにぎやかになり、睡眠不足に繋がってしまいます。

一方、学校が近くにあるエリアはパトロールが徹底しているが嬉しいポイント。治安面を気にする方なら住むのにおすすめです。

徒歩圏内にスーパーがない

食材や日用品を買えるスーパーが近くにないと生活が不便になります。買い物が面倒になって外食に頼ってしまい、生活費がかさむ可能性も。近隣にスーパーがあるかは必ずチェックしておきましょう。

また、営業時間や品ぞろえ、買いやすい価格かもあわせて確認するのがおすすめです。

坂道が多い

周辺に坂道が多いエリアも要注意。重たい荷物を持っている時や、仕事で疲れて買ってくる時にストレスに感じます。

自転車をよく使う方も、坂道が多いと走りにくいので避けた方がいいでしょう。

犯罪が多いエリア

エイブルやアパマンなど大手の不動産屋で物件を案内してもらうとき

「目の前にコンビニがあって便利ですよ」

「駅から徒歩5分以内で通勤がラクですよ」

など魅力的な面ばかり推してきますが、仮に周辺で軽犯罪が多発していても、ネガティブな情報は、まず教えてくれません。

詐欺や犯罪に巻き込まれないようにするためには、住みたい街の治安をあらかじめチェックしておきましょう。

街の犯罪状況を知る方法は二つあります。

1. チャット不動産に街の治安状況を聞く

一つ目はチャット不動産に街の治安を聞く方法です。

チャット不動産屋との実際のやりとり▼

イエプラやりとり

深夜0時までチャットができ、相談すれば治安の悪いエリアを除外した物件を紹介してくれます。

治安面を考慮した物件を紹介してくれるので引っ越しを考えている人は利用してみてもよいかもしれません。こちらはスマホ・PCともに対応しています。

公式サイトチャットで治安がよいエリアの物件を紹介してもらう

 
 

2. 警視庁の犯罪データをチェックする

二つは警視庁が発表している犯罪発生状況のエクセルデータをチェックすること。

警視庁:区市町村の町丁別、罪種別及び手口別認知件数

エリアごとの犯罪件数を細かく掲載しています。ただしエクセル形式なのでスマホからではなくパソコンからみる必要があります。

近くに川がある

近くに川がある物件は虫が発生しやすいです。また、大型の台風が来ると川が氾濫し、浸水が起きるリスクもあります。

もし川の近くに住む場合は、市町村が発表しているハザードマップを日頃からよく確認しておきましょう。

地震の危険度が高い

国内に住んでいる限り地震は避けられません。万が一大きな地震が来た際に、建物の倒壊や火災のリスクがあるエリアは住まない方がいいでしょう。

東京都では5年に1度「地震に関する地域危険度測定調査」が行われており、調査結果は東京都都市整備局のサイトから確認できます。自分が住みたい街を検索し、危険度が高くないかを事前にチェックしておきましょう。

   

異常に安い物件は疑うべし

SUUMOやHOMESで物件を探していると、まれに掲載ミスかと疑いたくなるような格安物件を目にすることがあります。

たとえば、複数の路線が乗り入れるターミナル駅から徒歩5分のデザイナーズマンションの家賃が月額7万円など。

周辺の平均家賃相場は1DKで14万円前後なのに、相場の半額程度という格安物件です。

設備欄には宅配BOX・室内洗濯機置き場・独立洗面台・リフォーム済といった魅力的な条件が掲載されていますが、備考欄には、「告知事項あり」と掲載されています。

告知事項

実際にSUUMOに掲載されている物件

告知事項とは、不動産屋が入居希望者に対し、事前に伝えなければならない重要事項のことです。

物件を貸す際、事件・事故などの見ためからは分からない欠陥(瑕疵)がある場合、不動産屋は、その事を報告する「瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)」の義務があります。

告知義務が発生する4種類の瑕疵(かし)

1物理的瑕疵物件(ぶつりてきかしぶっけん)

土地や物件の建物に、重大な破損や欠陥があるケースを指します。

物理的瑕疵物件の例

  1. 雨漏り
  2. シロアリ被害
  3. 耐震強度の不足
  4. 壁のひび割れ
  5. 建材にアスベストを使用
  6. 地盤沈下など地盤が歪んでいる

地盤が歪んでいたり、建材にアスベストを使用しているなど、目で見て分からない「瑕疵」の場合は、専門家に調査してもらわなければ把握できないため、まず見抜くことは難しいでしょう。

また日常生活をしている中で起きた壁の傷や床の摩耗・変色は瑕疵としてみなされません。

2法律的瑕疵物件(ほうりつてきかしぶっけん)

法令などにより、なんらかの制限がある場合、または法令を違反していることを指します。

法律的瑕疵物件の例

  1. 構造上の安全基準が満たされていない
  2. 火災報知機、スプリンクラー等の防災設備が古い
  3. 都市計画法に基づき制限が設けられている

原則として新築物件に違法建築になる物件は存在しませんが、1981年以前に建てられている場合は、耐震基準を満たしていない可能性があります。

日本木造住宅耐震補強事業者協同組合によると、1950年~1980年までに着工された木造二階建て以下の建物を対象とした耐震診断のうち、84.95%の住宅が震度6強クラスの大地震で倒壊する可能性があると指摘しています。

住宅耐震

出典元:日本木造住宅耐震補強事業者協同組合

東日本大震災でも老朽化した木造住宅に倒壊が多く、現行の耐震基準を満たしていない建物や、施工工事に問題があった建物などに被害が発生しました。

   

3心理的瑕疵物件(しんりてきかしぶっけん)

心理的瑕疵物件とは過去に事故や事件・なにかしらのトラブル等が発生した物件を指します。

部屋の構造に問題がなくても心理的に「住みたくない」と嫌悪感を感じる、いわゆる「事故物件」です。

また直接的な被害はなくても近所にヤクザの事務所やキャバクラなど嫌悪施設が近所にあるなども該当します。

心理的瑕疵物件の例

  1. 自殺があった
  2. 殺人事件が起きた
  3. 病気で亡くなっていたが発見が遅れた
  4. 火葬場・墓場などの心理的に避けたい施設が近い
  5. ラブホテル、風俗店など品位を下げる施設が近い

4環境的瑕疵物件(かんきょうてきかしぶっけん)

物件そのものに問題はないものの、周辺環境に嫌悪感を感じる物件を指します。

ケースによっては心理的瑕疵物件に含まれることもあります。

環境的瑕疵物件の例

  1. 工場やゴミ焼却場などの悪臭や騒音が懸念される施設
  2. 火葬場・墓場・刑務所などの心理的に避けたい施設
  3. パチンコ店やラブホテル、風俗店など品位を下げる施設
  4. 高速道路などによる振動や騒音

もしも不動産屋が入居希望者に上記に該当する瑕疵の説明をせずに入居させた場合、宅建業法4条1項1号に定められた「告知義務」の違反となり契約解除や損害賠償を請求することができます。

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やっかいなのは「事故物件」

告知義務のやっかいな点は、人の死が絡んだ場合の定義が明確にされていないことです。

人の死が絡んだ場合は2人目の入居者には告知義務が不要となります。

賃貸物件には「事故物件の告知義務は、次に入居するひとり目のみ」という業界ルールがあります。

1度でも入居者が生活すれば、過去の事件・事故による心理的瑕疵は薄まるため、以後の入居者に告知義務は発生しなくなります。

これは過去の裁判例によって認められています。

自殺事故と当該貸室の告知期間
告知が必要な期間は、事故等の概要、賃貸物件の需給状況、部屋の仕様等によって異なるものと思われるが、「最初の入居者に対しては本件事件の告知義務はあるが、同入居者が通常の賃貸期間を経過して退去した後は、新たな入居者に対して本件事件を告知する義務はない」などの判示がされている。

引用元:一般財団法人 不動産適正取引推進機構(https://www.retio.or.jp/attach/archive/112-060.pdf)

この「事故物件の告知義務は、次に入居するひとり目のみ」というルールを逆手にとり告知義務を合法的に消す業者も増えています。

たとえば自殺や殺人が起きた物件に短期間だけ自社の社員に契約させ“住んだ”という実績を作れば告知義務はなくなります。

ほかにも、共用スペースなどの敷地内における事件・事故が起きることもあります。

たとえば入居者と無関係の人物がマンションの屋上から飛び降り自殺したり、共用通路で人が殺されていたりしたら、心理的嫌悪を抱く人も多いはずです。

しかし敷地内における事件・事故に関しては、基本的に告知義務は発生しません。

たとえ入居後に事件を知って管理会社を訴えたとしても、それまでに収めた家賃の返還や引越費用の請求は認められず、結果として泣き寝入りすることになります。

また一般的に自然死についても告知義務はありません。

自然死と瑕疵
自然死は、社会通念上嫌悪すべき心理的欠陥に該当するとはいえないことから、心理的瑕疵に該当するものではない。裁判例としては、自殺事故に該当しないとして棄却された下記裁判例が見られる。

<瑕疵を否定した事例>
・【A10】住宅売買の6年9か月前の居住者の死亡に関する死体検案書に自殺と記載されていたが、裁判所は死亡時の状況の総合考慮により自殺とは認められないとして心理的瑕疵を否定した事例。

引用元:一般財団法人 不動産適正取引推進機構(https://www.retio.or.jp/attach/archive/112-060.pdf)

ただし死後の発見が遅れ腐敗が進んでいたなどの場合は瑕疵と認められ告知義務が発生する場合もあります。しかし「死後〇日後に発見」といった明確な線引きがないため、告知の判断は物件のオーナーに委ねられることになります。

不動産屋に確認すべき項目4選

不動産屋に確認すべき項目4選

前入居者の入居期間、退去理由

前の入居者が長く住んでいたのなら、住み心地の良い物件だと考えられるでしょう。加えて退去理由が「転勤」「進学」などの相応のものであれば安心です。

一方、一般的な契約期間である2年に満たない場合は、何らかの住みにくい理由があるのかもしれません。退去理由や入居期間を不動産会社に尋ねてみて、正確に教えてくれない場合も要注意です。

空き室期間

空き室になってからどれくらい経っているかも聞いてみるとベスト。空き室期間が短いほど、人気の高い物件だと判断できます。

一方、空き室期間が長いなら住みづらい理由があると考えた方がいいでしょう。ただし、「駅から遠いけれど在宅勤務が中心だから気にならない」など、人気がない理由が自分の納得するものであれば問題ありません。入居者が見つかりづらい分、値下げ交渉に応じてもらえるチャンスでもあります。

また対面で値下げ交渉がしにくい人はチャット不動産が活用しましょう。顔を合わせないので強気に交渉できます。数あるチャット不動産の中でも以下のサイトが使い勝手がよいのでおすすめです。

イエプラ
良いところ 他サイトのおとり物件も調査してくれる
他で扱っていない未公開物件が多い
チャットで気軽に話せるので、好き勝手に物件の条件を言える
異常にレスポンスが早い
深夜0時までやっているので自分のタイミングでチャットで聞ける
ダメなところ 「東京都」「千葉」「埼玉」「神奈川」「大阪府」「兵庫県」「京都府」「奈良県」しか探せる選択肢がない
担当者によっては噛みあわないときがある
スマホから聞くと打つのが手間
公式サイトイエプラの公式
イエッティ
良いところ AIなので異常にレスポンスが早い
物件によってビデオ通話での内覧が可能
オンラインでの契約が可能
22時までチャットで相談できる
ダメなところ 細かく質問したい場合は、ビデオ通話で話す必要がある
部屋を探せるエリアが東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県と限定的
見込みがないと思った客はAIの対応のみで終わる
6万以下の物件を扱っていない
公式サイトイエッティの公式

どんな人が住んでいるか

他の入居者が分かれば、どんな人にとって住みやすい物件かが判断できます。個人情報のため細かくは教えてもらえませんが、「学生が多い」「家族連れが多い」程度であれば話してもらえるので聞いてみてください。

トラブルやクレームが発生していないか

トラブルやクレームが発生している場合は、マナーの悪い住人がいたり、自身が巻き込まれたりするリスクがあります。

不動産会社に聞く以外に、物件エントランスや近隣エリアに設置されている掲示板をチェックしてみるのもおすすめ。「騒音によるクレームが来ています」「不審者注意」などの具体的な張り紙があるなら要注意です。

選ばない方がいい賃貸物件の見分け方まとめ

良い物件を見つけるには不動産屋を利用する

選ばない方がいい賃貸物件の見分け方をいくつか紹介しました。

私たちがネット上などで目にする物件情報に、物件のデメリットはほぼ書かれていません。住んでから後悔しないよう、内見時に自分でチェックしたり、不動産会社から情報を得たりして判断するのが重要です。

住みやすい部屋を選んで、快適な新生活をスタートさせてください。

 

  • この記事を書いた人

ゆうと

職業:不動産関係のwebライター。上京してから住みやすい場所を求め、引っ越しを繰り返したことがこのサイトを作ったきっかけです。不動産屋では書けないことも中立な視点で街の良い点・悪い点をありのまま掲載しています。当サイトはテレビ番組でも定期的に取り上げられています。

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