新しい部屋に引っ越す際は、引っ越し代や家具の購入など何かとお金がかかるもの。引っ越しにかかる費用を抑えたいと思う方の中には、「初月だけでも家賃がタダにならないか」と考える方もいるのではないでしょうか。
近年では家賃がタダになる「フリーレント」を設けた賃貸物件が増えつつあります。ただし、初期費用を抑えられる一方、長期的に見ると損をしてしまう可能性も。本記事では、フリーレント物件のメリットやデメリットを解説します。
目次
タダで借りるならフリーレントがおすすめ
「フリーレント」とは家賃を一定期間タダとする契約のこと。無料期間に明確な決まりはなく、適用される期間は物件によって異なります。一般的には2週間~1ヶ月程度、長いと3ヵ月程度家賃が無料になるパターンもあります。
「タダ」と言われると「住めないほど汚い部屋なのではないか?」「事故物件ではないか?」と不安に思う方もいるでしょう。
家賃を無料にする目的は主に「物件への入居促進」のため、心配する必要はありません。例えば、駅近物件と比べると駅から遠い物件は人気が低くなりがちです。そこで、埋もれてしまいがちな物件にフリーレントをつけて部屋を探す人に興味を持たせる仕組みです。
家賃が0円は大家さんにとっても得!
フリーレントは入居者にとって嬉しい制度ですが、大家さんにとっても空き室を防げるメリットがあります。空き室では家賃収入が得られないため、大家さんは何としてでも誰かに入居してもらいたいところ。フリーレントをつければ入居者が決まる確率が高くなります。
フリーレントはもともと募集条件に入っている場合もあれば、交渉でつけられる場合もあります。引っ越し時にかかる費用を少しでも抑えたい方は、入居時に不動産会社に相談してみましょう。ただし、好条件で人気の物件や、1~3月の繁忙期は交渉が通らない可能性が高いため注意が必要です。
フリーレントのメリット
1空家賃、二重家賃が防げる
引越し直後の家賃が無料になることで、「空家賃」や「二重家賃」を防げます。
「空家賃」とは部屋に住んでいないにもかかわらず支払う家賃のこと。実際の入居日より早めにお部屋を決めてしまった場合や、入居予定日までに引っ越しが間に合わなかった場合に発生してしまいます。一方、初月の家賃がタダになれば入居が遅れてしまっても無駄な家賃を支払う必要がなくなります。
また、現在も賃貸物件に住んでいる方は、現在の物件と新しい物件の家賃を両方支払う「二重家賃」が発生してしまう可能性があります。2物件の契約期間がかぶってしまっても、一方が無料期間なら支払う家賃は1物件のみで済むでしょう。
このように、フリーレントは無駄な家賃を支払うリスクを避けられます。
2早めに物件を決められる
一定期間の家賃が無料になることで、契約手続きを早めに進められるメリットもあります。
特に1~3月の繁忙期に引っ越しをする方は、いい部屋が見つかったら他の人にとられる前におさえておきたいと考えるでしょう。しかし、賃貸物件は契約をした時点で家賃が発生してしまいます。
入居日より余裕をもって契約をしても、フリーレント期間があれば無駄な家賃を支払う必要がありません。早めに契約手続きを終えられるため、休みがとりづらくなかなか引っ越しスケジュールが決まらない方にもおすすめです。
3初期費用を抑えられる
フリーレント物件を選ぶことで、引っ越しにかかる初期費用を抑えられます。
引越しの際は何かとお金がかかるもの。もし初月の家賃がタダになれば、浮いた分のお金を引っ越し料金や家電製品の購入などに回せます。初期費用を抑えて引っ越ししたい方は、ぜひ検討してみましょう。
4家賃を下げるよりも交渉が通りやすい
新しい部屋に引っ越す際、不動産会社に家賃交渉をする方もいるでしょう。一般的に、フリーレントは家賃を下げるよりも交渉が通りやすいと言われています。
交渉が通りやすい理由は、長期的に見ると大家さんが損をする額が少ないからです。例えば家賃9万円の物件を家賃8万円に下げて契約した場合、大家さんの家賃収入は2年間で24万円も減ってしまいます。一方、1ヶ月のフリーレントであれば減ってしまう家賃収入額は9万円のみで済みます。
なお、交渉の際は選択肢を出すのも心理的に通りやすいと言われています。「家賃を下げるか、初月を無料にできないか」のように交渉してみましょう。
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6万円以下で暮らせる都内のデザイナーズ物件や女性限定物件も取り扱っています。
ただし対応エリアが東京のほかに埼玉、千葉、神奈川に限られています。地方で物件を探している人には不向きです。
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フリーレントのデメリット
1短期違約金が発生する場合がある
フリーレント物件はメリットばかりではありません。大きなデメリットとして、「短期違約金」が設定される可能性が高い点が挙げられます。
「短期違約金」とは、半年~1年などの短期間で退去する場合に発生する違約金のこと。金額は物件によるものの、住んでいた期間が半年だと家賃2ヶ月分程度、1年だと家賃1ヶ月分程度と言われています。
短期違約金によって無料になった金額を支払うことになり、結果的にフリーレントの意味がなくなってしまう可能性があります。すぐに引っ越す予定がある方や、転勤が多い方は注意しましょう。
2管理費、共益費は無料にならないケースが多い
一般的に、管理費・共益費などはフリーレントには含まれません。無料になるのは「家賃」のみのケースがほとんどのため注意しましょう。
引っ越し時の初期費用は家賃の5ヶ月分程度かかると言われています。家賃がかからない期間があるとしても油断せず、引っ越しは計画的にお金を貯めて行いましょう。
3家賃が割高な可能性がある
フリーレント物件は近隣相場よりも家賃が高いケースがあります。初期費用を抑えられたとしても、トータルで見ると他の物件の方が安く済む可能性があるため注意しましょう。
例えば、家賃10万円の物件で初月の家賃が無料となった場合、2年間の家賃は合計230万円です。一方、家賃9万円の物件で無料期間無しなら2年間の家賃は合計216万円。長期的に見ると無料期間の無い物件の方がお得になります。
初期費用を抑えたいのか、トータルで家賃を抑えたいのか、よく検討してから物件を選びましょう。
4無料期間は物件によって異なる
賃貸物件のフリーレント期間に明確な定めはありません。条件によっては損をしてしまう可能性があるため注意しましょう。
物件によって、家賃がタダになる期間は1ヶ月~3ヶ月とさまざま。中には、「入居するまでの期間は無料」のパターンもあります。契約から入居までの期間が短い場合は、結果的にフリーレントの意味がなくなってしまうでしょう。
適用期間はいつまでなのか、よく確認してから物件を契約するようにしましょう。
5契約更新月がわかりづらくなる
家賃が無料になる期間を設けることで、契約更新月がわかりづらくなるデメリットもあります。フリーレントの物件の場合、契約開始月と家賃発生月がずれる点に注意しましょう。
例えば、春からの進学や就職に備えて1月に契約を結んだ場合。2月~3月を無料期間として4月から家賃発生としていても、実際の契約は2月より開始されています。2年後の1月末には契約更新となってしまうため、「契約更新はまだ先だと思っていた!」と慌てないように気をつけましょう。
家賃がタダの物件探しまとめ
フリーレント物件のメリット、デメリットについて紹介しました。
家賃が一定期間無料になる「フリーレント物件」は、初期費用を抑えたい方や早めに部屋を決めたい方におすすめです。一方、家賃が近隣相場より高かったり、短期違約金がついていたりと結果的に損をしてしまうケースもあるため注意しましょう。
条件や近隣相場もよく確認したうえで、物件を検討してくださいね。
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