近年は働き方改革やコロナ禍によって働き方も変化し、個人事業主として活動する方も増えてきました。しかし、「個人事業主はお部屋を借りにくい」と言われており、不安に思っている方もいるのではないでしょうか?
今回は個人事業主が入居審査を通すコツを紹介します!
目次
自営業(個人事業主)は審査に通りにくい
自営業(個人事業主)が審査に通りにくいと言われている理由は、正社員に比べると収入が不安定と見なされるためです。
正社員であれば、「給料」として毎月ほぼ一定額の収入が見込めます。一方、個人事業主の収入はその月の売上や仕事量によって変化するため、毎月同じ額とは限りません。
実際は正社員以上に稼いでいるとしても、収入に波がある点から「継続して家賃を支払うのが難しいのでは?」と判断されてしまい、審査に不利になってしまいます。
また、自宅で仕事をしている個人事業主の場合、仕事関連での来訪があるケースも。入居者以外の立ち入りが増えることで、防犯面を気にする大家さんもいます。
審査が通らないパターンは?
1事業を始めて日が浅い
個人事業主の中でも、事業を始めて1年目は特に審査に通りづらい傾向にあります。
1年だけでは、今後同じくらいの売上が見込めるのかがやや不明確です。1年目はまだ事業が軌道に乗っておらず、収入の安定性を示せない場合もあるでしょう。
また、審査時には基本的に確定申告書類の提出が必要となります。まだ確定申告を行っていない段階では必要書類を提出できず、そもそも審査が行えないケースも考えられます。
2連帯保証人を立てられない
万が一家賃の支払いが滞った場合に、家賃の支払い義務が発生するのが「連帯保証人」。連帯保証人がいることで、大家さんは安心してお部屋を貸すことができます。
ただし、連帯保証人には「支払い能力のある3等身以内の親族」と決められています。条件に合う人がおらず連帯保証人を立てられない場合、審査には通りづらくなってしまうでしょう。
3過去に支払い滞納歴がある
個人事業主に限らず、過去に家賃やクレジットカードの支払い滞納歴があると審査に通りづらくなります。
特に、「株式会社エポスカード」や「オリエントコーポレーション」などの信販系の保証会社は、審査時に信用情報をチェックします。滞納歴がある方は、信販系以外の保証会社で審査を進める必要があるでしょう。
4収入証明書の金額が低い
実際の収入が十分にある場合でも、収入証明書の金額が低いと「家賃の支払い能力に不安がある」と見なされ、審査に落ちやすくなってしまいます。
特に、確定申告時には節税対策としてなるべく経費を多く計上としようと考える人も多いはず。しかし、経費が増えると収入に対する所得は低くなるため、入居審査時には不利になってしまいます。
賃貸の審査に必要な書類は?
提出が必要な書類一覧
- 免許証などの本人が確認できるもの
- 3期分の確定申告書
- 昨年度の課税証明書
- 預金通帳のコピー
- 事業内容が分かるもの
- 現住所の住民票
- 印鑑登録証明書
- 印鑑(認印か実印)
- 通帳と銀行印
個人事業主が賃貸審査を行う際、必要となる書類は上記の通りです。
正社員と比べると提出書類が多い点も、審査のハードルが高くなっている理由です。例えば、正社員なら収入を示す書類として「源泉徴収票」や「給与明細」を提出しますが、個人事業主は「確定申告書」「課税証明書」「預金通帳のコピー」が必要になります。
経理周りを税理士などにお願いしている場合、書類を用意するのに時間がかかる可能性も。書類の提出が遅れて不動産会社に迷惑をかけないよう、早めに手配しておきましょう。
個人事業主が賃貸審査を通す方法5選
1収入に見合った家賃の物件を選ぶ
個人事業主が入居審査を通りやすくするためには、収入に見合った物件を選ぶのが大切です。一般的には、手取りの約30%以下の家賃が良いと言われています。
例えば、手取り金額が月25万円だった場合、家賃の上限目安は7万5千円以下になります。
手取りから見る家賃の例
家賃の目安 | |||
---|---|---|---|
手取り額 | 賃料の目安 | 手取り額 | 賃料の目安 |
15万 | 4.5万 | 25万 | 7.5万 |
16万 | 4.8万 | 26万 | 7.8万 |
17万 | 5.1万 | 27万 | 8.1万 |
18万 | 5.4万 | 28万 | 8.4万 |
19万 | 5.7万 | 29万 | 8.7万 |
20万 | 6.0万 | 30万 | 9.0万 |
21万 | 6.3万 | 31万 | 9.3万 |
22万 | 6.6万 | 32万 | 9.6万 |
23万 | 6.9万 | 33万 | 9.9万 |
24万 | 7.2万 | 34万 | 10.2万 |
収入に対してあまりにも高い家賃の物件を選んでしまうと、たとえ審査に通ってもカツカツの生活になってしまう可能性が高いです。余裕をもった暮らしを送るためにも、家賃を重視して物件を選びましょう。
2貯金があることを示す
毎月の収入に波があっても、十分な貯金があれば大家さんも安心できます。預金残高などを示して、家賃支払いが滞る心配がないことをアピールしましょう。
目安として、2年分の家賃を払える貯金があれば審査に通りやすくなると言われています。例えば家賃8万の賃貸を借りたい場合は8万×24か月=192万以上の貯金が必要となってきます。
3不動産会社の信頼を得る
入居審査に通りやすくするためには、不動産会社の信頼を得ることも大切です。
審査を行うのは保証会社や大家さんであり、不動産会社ではありません。しかし、入居希望者の印象は接したスタッフを通じて大家さんにも伝えられます。「他の住民とトラブルを起こしそう」といった印象をもたれてしまえば、審査にも通りづらくなってしまうでしょう。
不動産会社を訪れるときは身だしなみを整え、丁寧な態度で接しましょう。また、スタッフと仲良くなっておくことで、審査に通りやすい物件を紹介してもらえる可能性も高まります。
4審査のゆるい保証会社を選ぶ
審査のゆるい保証会社の物件を選ぶのも手です。
保証会社には主に「信販系」「LICC系」「独立系」の3種類があります。比較的審査がゆるいと言われているのが、独自の基準で審査を行う「独立系」。対して、「信販系」「LICC系」は信用情報や家賃の滞納歴をチェックするので、審査が厳しいと言われています。
審査が不安なら、「独立系」の保証会社を選ぶのがおすすめ。ただし、保証会社は大家さんや不動産会社によって決められています。審査のゆるい保証会社を希望するなら、不動産会社のスタッフに相談してみましょう。
52年目以降に引っ越す
前述したように、事業を始めて1年目は審査に通りにくい傾向にあります。一方2年目以降であれば、ある程度の売り上げ見込みも判断しやすいうえに、事業が軌道に乗っている状態を示せるので審査に有利に働くでしょう。
急ぎでなければ、2年目以降の引っ越しを検討してみてください。
まとめ
毎月一定額の収入が見込める正社員と比べると、個人事業主は審査に通りづらい傾向にあります。
ただし、個人事業主だからといってお部屋を借りられないわけではありません。収入に見合った家賃の物件を選んだり、貯金があることを証明したりすることで、審査を有利に進められるでしょう。
紹介したコツを実践して、安心してお部屋探しを進めてください!