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部屋探しの賢い選び方
アパートやマンションを探すとき、ほとんどの人はまず住む街や沿線を決めます。毎日通う通勤・通学する学校や職場を軸にして、そこへのアクセスを考えて、場所を選ぶ人がほとんどでしょう。
そこで重要になってくるのが地域や沿線をどう選ぶかです。
住みたい場所にこだわりすぎると失敗することも
住みたい場所がすでに決まっていれば、不動産屋の担当者も、希望条件にあった物件を親身に探してくれるでしょう。しかし、ここで注意したいのが、住みたいエリアに固執しすぎないこと。
就職をキッカケに地方から東京へでてきた僕の妹は「恵比寿に住む」というのが絶対に譲れない条件で不動産屋を何軒もハシゴしました。
新卒なので当然、金銭的な余裕はありません。営業マンにも「恵比寿から30分以内に行ける街の方が断然お得な部屋に住めますよ」とアドバイスされても、恵比寿に住むという条件を譲りませんでした。
たまたま職場も恵比寿にあったこと、東京でも有名な場所に住みたいという思いが強かったことなどがあり、担当者が渋ると他の不動産屋に足を運ぶということを繰り返していました。
そして、ようやく恵比寿駅から徒歩20分の場所にある狭いワンルームを見つけ、予算上限ギリギリの家賃で借りることに成功。
しかし実際に住んでみると、部屋は狭く日当たりが悪い、日が当たらないので常にジメジメしており、部屋全体がカビ臭い。駅前に行かないとコンビニやスーパーもないといった状態。
引っ越しの手伝いをしに、はじめて妹の部屋を訪れたときは独房かな?と思うレベルでした。しかもこんな部屋なのに10万弱の家賃をとる恵比寿おそるべし・・・。
しかしそんな妹もついに目を覚ますできごとが起きます。
ある日、同じく地方からでてきた荻窪駅に住む友人の家に行き、びっくり。駅構内にグルメ、スイーツ、ファッションが入ったルミネがあり、駅前には商店街があり、住んでる部屋も少し古さは感じるものの日当たり良好の2Kの部屋。しかも家賃は自分が住んでいる部屋より1万5千円も安い。
恵比寿へも30分以内に行けるエリアでもあり、自分がどれだけ条件の悪い部屋に住んでいるか痛感したそう。
住みたい街に関してはある程度の妥協も必要
部屋探しをする際、人それぞれに好みや譲れない条件はあるでしょう。しかし、限られた予算内で物件を探す限りは、ある程度、譲歩することも必要です。
自分の希望条件と多少食い違っている部屋でも、実際に内見にいくと「意外とよいかも!?」と思える物件に出会うこともあります。
決められた予算の範囲内で、限られた期間に、お客さんの希望になるべくあった物件を紹介するのが不動産屋の仕事ですが、最終的に住む・すまないの決断を下すのは、部屋に住むあなた自身です。
ある程度は柔軟性をもって、不動産屋の意見に耳を貸しながら、部屋探しをすることが、住んで後悔しない部屋探しへの近道となります。
条件が曖昧すぎると不動産屋も塩対応になる
たまに「駅から近くて〇万円内の部屋なら、なんでもいいから紹介してほしい」と漠然とした条件を不動産屋に言う人もいます。
不動産屋の担当者からすると、こういった条件がアバウトすぎるお客さんも実は困るのです。
「駅から近ければどんなものでも」などといわれ、駅から近い物件を片っ端から紹介しても「これは家賃が高い」、「これは収納がない」などNGの条件がどんどん出てきて、結局、具体的な条件を引き出すという"あぶりだし作業"が必要になってきます。
しかも、条件がぼんやりしたお客さんほど時間をかけてあれこれと紹介しても、結局、ピンとくるものがなかったと帰る可能性が高いため、経験豊富な担当者は、曖昧な条件を言うお客さんと当たった場合、契約の可能性が低いと察知し、塩対応になることも少なくありません。
お互いのストレスを無くすためにも不動産屋で部屋を探してもらうときには「〇〇駅から〇〇駅の間で徒歩10分以内で、バス・トイレ別。家賃は〇万円を上限で」というように、ある程度、具体的に条件を提示しましょう。
希望条件をすべて満たすものがなかったとしても、それに近いものを紹介してくれますし、提示された条件のなかで、どれが妥協できるのかを考えていけばよいのです。
理想の部屋の条件からどこまで妥協するかがポイント
物件探しのコツは、理想の条件をすべて満たす物件というのは、まず無いと思うこと。
部屋探しが上手な人は、当初の希望よりどこか妥協して住んでいます。
すべての条件は家賃と引き換えになっているので、希望する条件をすべて叶えようとすると、まず予算オーバーになります。
自分にとって、何が譲れない条件とはなんなのかをハッキリさせましょう。
優先順位が高い条件
毎月のことなので、無理せず払える家賃相場の物件を選びましょう。光熱費や食費、交際費など生活にかかるお金も考慮しながら逆算して決めます。管理費や共益費を含めた家賃は、収入(手取り)の30%を目安にするのが一般的です。
手取りから見る家賃の例 | |||
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手取り額 | 賃料の目安 | 手取り額 | 賃料の目安 |
15万 | 4.5万 | 25万 | 7.5万 |
16万 | 4.8万 | 26万 | 7.8万 |
17万 | 5.1万 | 27万 | 8.1万 |
18万 | 5.4万 | 28万 | 8.4万 |
19万 | 5.7万 | 29万 | 8.7万 |
20万 | 6.0万 | 30万 | 9.0万 |
21万 | 6.3万 | 31万 | 9.3万 |
22万 | 6.6万 | 32万 | 9.6万 |
23万 | 6.9万 | 33万 | 9.9万 |
24万 | 7.2万 | 34万 | 10.2万 |
手取り20万円であれば6万円以下の部屋を探すのがベストです。30%を超える物件は入居審査の段階で落ちる可能性が高いです。
職場や学校へアクセスしやすいエリア
ひとり暮らしで家賃と同様に重要なのが通勤・通学の時間になります。職場や学校から電車で30分以内で行けるなど、実際の生活をイメージして暮らしやすいエリアを選びましょう。ただ安すぎるエリアは治安が悪い可能性もあるので事前に治安状況や自然災害リスクもリサーチしておくことが大切です。
最寄り駅から20分以内
毎日のことだけに駅から徒歩20分以上離れている物件は、通勤・通学がしんどくなってきます。特に仕事で夜遅くに帰ることが多い女性は避けた方がよいでしょう。ただしあまりにも駅近物件になると家賃が高い・電車の騒音が深夜まで続くなどデメリットもあるので、駅から5分~20分程度離れている物件がベストです。
収納スペースがあるか
たとえば同じ六畳の1Rでも収納スペースがあるかないかで部屋の広さがかなり違ってきます。収納スペースがなく棚を置いたら狭い部屋がさらに狭くなった、台所の収納が少なく、鍋やフライパンなど出しっぱなしにせざる負えないなど、十分な収納が確保できないと部屋が狭く、散らかりやすくなります。
日当たり
日中は家にいないからとあまり重要視しない人も多い『日当たり』ですが、部屋の太陽の光が入らないと「カビが生えやすい」「洗濯物が乾かない」「冬は寒くて電気代がかかる」といったデメリットがあります。できれば南向きか東向きがベストですが隣の建物が高い場合も日当たりが悪くなるので注意が必要です。
室内に洗濯機置き場があるか
外に洗濯機を置く場合、隣人と騒音トラブルになる可能性が高いです。特に夜に洗濯機を回す場合、高確率でクレームをもらいます。また外に置くことによりホコリなどで汚れ故障の原因にもなるので、できれば室内洗濯機置き場の部屋を選びましょう。
妥協してもOKな条件
築年数
新築物件はきれいで新しい反面、家賃は割高になります。築年数が経っていてもリノベーションされている部屋であれば、ほぼ新築物件と変わらない設備、見た目で家賃も抑えられます。一定の地震の揺れに耐えられるよう基準をクリアしている物件は1981年以降に建てられているので、1981年以降に建てられた物件であれば古くても耐震基準を満たしています。
オートロック
女性が一人暮らしをする際、オートロックを絶対条件に入れる人も多くいますが、オートロック付きの物件でも住人にまぎれて侵入することもできるので絶対に安全とはいえない面も。また、古い物件に簡易的につけたオートロックもあるので、内見する際にチェックしましょう。オートロックよりも来訪者が確認できるモニターつきインターホンがあると不用意にドアを開けなくてよいので安心です。
バス・トイレ別
お風呂はシャワーでさっと済ませる人はバス・トイレ別じゃなくてもそれほど不便を感じないでしょう。バス・トイレ別の条件をはずすだけで家賃が抑えられますし、トイレとお風呂の排水管の大元が繋がっていることが多く漏水事故が少ないというメリットも。
角部屋
角部屋は日当たりがいい、隣の生活音が気にならないといったメリットがある一方、窓が多く低層階は防犯性が低いと賛否両論ある条件です。家賃の高さと天秤にかけ、そこまで必要性を感じなければ家賃が安くなるので条件から外してもよいでしょう。
独立洗面台
女性の場合、洗面台がお風呂と別になっていれば髪を乾かしたり、メイクをするときに便利そうという理由で条件に入れる人が多くいます。しかし実際はリビングで鏡を置いてメイクや髪を乾かす人が多く、そこまで不便に感じないことも。独立洗面台という条件を外すだけでも家賃も抑えられるので、妥協する条件にいれてもよいかもしれません。
部屋探しに最適な時期は?物件が豊富なのは1~3月
賃貸には、物件が市場にあふれかえる時期と、比較的閑散としている時期があります。物件が出回るのは、1~3月がもっとも多く、次いで多いのが8~10月となります。
特に1~3月の時期は新入生の一人暮らし、新社会人の一人暮らし、企業の転勤などが重なり、不動産屋にお客さんが押し寄せる時期です。さらにワンルームや1Kといった単身者向けの新築物件は、この時期にターゲットを絞って建てられるので、新築物件も多く出回ります。
不動産屋も忙しく一人一人に丁寧に対応している時間がなくなります。問い合わせをしても連絡が遅かったり、親身に相談に乗ってくれないこともあります。
不動産屋に塩対応されないためにも、足は運ぶ際は、できれば混みあう週末の部屋探しは避けて、平日の午前中を狙いましょう。また週末しか時間が作れない場合は、混みはじめるお昼以降を避け、開店直後に訪問すると担当者も比較的ゆっくり聞いてくれます。
またこの時期は部屋がバンバン決まっていくので、不動産会社も強気。家賃や礼金を0にしてもらうといった値引き交渉に応じてくれないというデメリットもあるので、部屋探しの期限が決まっていない人は敢えて1~3月を避け、交渉しやすい時期を狙うという手もあります。