記事の監修:ますだ
大学卒業後、保険代理店に入社しFPの資格を取得。保険やライフプラン、マネー相談のアドバイザー業務などを行っています。暮らしに役立つ幅広いジャンルの情報をサイトで発信しています。運営サイト:みんココ
目次
「賃貸」のメリットとは?
1自由に引っ越せる
賃貸物件であれば、いつでも自由に引っ越しができます。
子供が生まれ部屋が狭くなったので、もう少し広い家に住みたい
親の介護が必要になったので近くに引っ越したい
勤め先へのアクセスがより良いところに移りたい
など、環境の変化や希望に応じて気軽に引越しができます。
これが、いったん「購入」してしまうと、自由気ままには引っ越しはできなくなります。
「隣人が夜中に騒いでうるさい」などのトラブルがあった場合も、賃貸であれば束縛されることなく引っ越しすることができます。
2家賃の管理がしやすい
賃貸であれば、日々かかる住居費は家賃と更新料等だけなので見通しが立てやすいというメリットがあります。
これが、購入となると、毎月の住宅ローン返済に加えて、固定資産税・マンションの管理費・修繕積立金、都市計画税等の維持費も継続的にかかってきます。
また住宅ローン返済額は金利変動によって変わるタイプのものもあり、維持費も年々変わるため、金利が上がった場合、家計を圧迫するリスクもあります。
3金銭的な負担が少ない
家を購入するための初期費用として頭金や諸費用として数十万~数百万円程度のまとまった現金が必要になります。
また購入後のメンテナンスにも費用がかかってきます。
例)
給排水設備などの設備が壊れたときの修理費
老朽化した際のリフォームの費用
台風などで窓ガラスが割れた、水が1階まで浸水したなど突発的な災害の修繕費
などすべて自己負担になります。
こういった購入の際にかかるお金に比べて、金銭的な負担が少ないのが賃貸の大きな魅力です。
また転職により年収が減ったので「もう少し家賃が安いところに住みたい」という希望も、賃貸なら制約なくかなえられます。
4人間関係を気にしなくてよい
持ち家の人は基本的に必ず入る「町内会」ですが、賃貨であればそのわずらわしさはありません。
町内のイベントや子ども・高齢者へのお祝い行事などの参加義務もありませんし「町内会費」を支払う必要もなく気がラクです。
家を買うより賃貸の方がよい理由まとめ
- 環境の変化に応じで住まいを変えられる
- 家賃を自分で設定しやすい
- 購入するより金銭的な負担が少ない
- 隣近所の人間関係をあまり気にせず暮らせる
こんな人に賃貸がおすすめ
1生活環境によって住む場所が変わる人
数年で転勤する会社に勤めているよ
今お付き合いしている人と将来的に一緒に暮らすかも
自営業で収入が毎年変わるよ
親の介護で将来的に実家に戻るかも
上記に当てはまる方は「賃貸」が向いています。
特に年収に変動があり手取りが安定しない場合は注意が必要です。
『賃貸』であれば家賃が安い物件に気軽に引っ越せますが、家を購入したあとに手取りが減り返済が滞った場合、家計が破たんし、自己破産に至る危険性もあります。
2健康面で不安がある
そもそも健康でなければ住宅ローンは組めず、家を購入するのは難しい現状があります。
健康に問題があると団体信用生命保険が通らず、住宅ローンの審査に落ちることがよくあるからです。
その点『賃貸』であれば健康状態のチェックはされず審査が通りやすいというメリットがあります。
3大きな借金を背負いたくない
家は高い買い物なので一括でドーンと買える人は滅多におらず、ほとんどの人が住宅ローンを組みます。
その額、数千万円です。
そんな大きな借金を抱えると、自由に転職できなくなり、仕事に縛られ、ストレスになるかも…という人は、賃貸のほうが、日々の精神安定につながります。
いつかは買おうと思っている場合も、頭金をため最初にまとまったお金を払い、少しでも住宅ローンの借入額を抑えるなど、対策をしておきたいところです。
こんな人に賃貸がおすすめまとめ
- 転勤などが多く、住むところが変わる可能性がある人は「賃貸」が無難
- 収入が不安定だったり、まだ独身で今後のライフプランが確定してない人は「賃貸」で様子見した方がよい
- 何千万という借金を背負いたくない人には「賃貸」の方が心穏やかに過ごせる
一生『賃貸』に住むのはあり?
退職後にも無理なく家賃が払えるかがポイント
働いて収入を得ているときは、家賃も払っていけますが一生賃貸でいくとなると、1番大きな不安は老後も払っていけるかどうかです。
結論からいえば、退職して年金生活に入ったあとも無理なく家賃が払える場所に住めば、一生賃貸でも基本的には大丈夫です。
老後の月間支出例(独身) | |
---|---|
家賃 | 7万円 |
生活費 | 5万円 |
1カ月の出費 | 7万円+5万円=1か月の出費12万円 |
退職後7万円の家賃の場所に住み、月々の生活費が約5万円だった場合、月額年金額が最低でも12万以上が必要となってきます。
退職後の収入を想定する
今の賃貸物件をそのまま老後も住み続ける場合、年金からでも家賃を支払っていけるかどうか、一度試算してみましょう。
毎年誕生日に送られてくる「ねんきん定期便」のハガキに、現時点で想定される将来もらえる年金額が記載されています。
また「ねんきんネット」で自分が将来もらえる現時点での年金見込額を調べることができます。
公式サイトねんきんネット
よく聞く家の購入が有利ってホント?
1政府は住宅を買ってほしい
世の中には、家を買うことを促す情報があふれています。
雑誌は『住宅は購入が有利』とうたう記事が多く、税制改正でも、住宅購入した人に住宅ローン控除などの思恵を拡充することに力を入れています。
なぜ家を買った人に税金の控除するのか?
それはズバリ国が国民に家を買ってもらいたいから。
家を買うことにより、引越し業者への発注が増えたり、新しい家電や家具を買い換えたりと消費が刺激されます。
景気をよくするためにも消費を刺激したい。
そのため各種の税制優遇して住宅購入者に有利になるよう税金の控除がされています。
2「購入有利」の情報は企業が発信
住宅が売れることによって儲かる企業が多いことも背景にあります。
雑誌などに住宅購入の情報が多い理由は、"売り主"の企業が広告を出しているからです。
住宅販売の広告を入れてもらっている雑誌は、「購入VS.賃貸」の記事で「賃貸有利」とするはずがありません。
また、売り主と買い主の間に立つ不動産会社や不動産販売業者も、家を買ってもらってはじめて利益が出るので、ウェブサイト等で購入に関する情報を数多く打ち出ています。
3賃貸物件の貸し主の大半は企業ではなく民間
一方、賃貸はというと、"貸し主"の大半は企業ではなく民間です。
民間などで企業ほど潤沢に資金があるわけではなく『賃貸が有利!』といった広告も積極的には打ち出したりはしません。
これが「賃貸有利」よりも「購入有利」「という情報が世の中にあふれている理由の一つです。
そのため、「自分にとって賃貸暮らしが合っているのかどうかは、自分で情報を調べて判断することが重要です。
家の購入が有利説のまとめ
- 国策として、政府が住宅の購入を後押ししている
- 売り主や仲介業者ば企業で、戦略的に広告発信している
- 賃貸の大家は大半は個人なので「賃貸」推奨の広告発信は消極的
賃貸で住み続けた場合、値下げ交渉は必須
賃貸の家賃は、新しい物件ほど高く、古い物件ほど安くなります。今の家賃について、契約当初の額を律義に何年も払い続けていませんか?
家さんから家賃を下げる申し出をしてくれることは、まずありません。同じ部屋に長年住み続け相場より高めだとわかったら、契約更新の3か月前くらいに「長らく住んでいるけれども近隣相場より家賃が高いので値下げをしてほしい」と仲介業者に伝えると、更新後の家賃を下げてくれることがあります。
いつまでも借りた当時の家賃でコツコツ払い続ける必要はありません。月の生活費を5,000円減らすのはストレスを伴いますが、家賃を下げてもらうのは、仲介業者などに更新前に希望を伝えるだけで済みます。値下げ交渉に応じてもらえた場合、その後の家賃をずっと減らすことができるので、とてもお得な方法です。
家を購入したい場合は専門家に相談するのもアリ
家など大きな買い物をする際は、ファイナンシャルプランナー(FP)に相談するのも一つの手です。不動産、住宅ローンの専門知識が豊富で、あなたにあったプランを提案してくれます。
年収に応じた無理のないローンの組み方や、販売業者にぼったくられないよう、専門的な観点からアドバイスしてくれます。基本は有料のコンサルになりますが、保険チャンネルなどは無料で相談できます。無料ではありますが、かなりがっつり相談に乗ってくれるのでおすすめです。
公式サイト家の購入をFPに相談してみる